敬老の日とは
長寿祝いの礼儀とマナー
敬老の日に限らず、日本には長寿を祝う節目のお祝い事がいくつかあります。
よく知られているものでは還暦祝い、古稀、喜寿の祝いなどがあります。
還暦では「暦が一巡し赤ちゃんに戻る」という意味でちゃんちゃんこなどの赤い衣服を贈る習慣があります。昔から赤い色は魔除けの力があると考えられ、産着に使われていたことから広まった風習です。
そもそも長寿を尊ぶ思想は、儒教の教えに根ざした古代中国のもので、平安時代に日本に伝わり、当初は貴族間で広まりました。
その後、奈良時代には10年刻みで祝うようになり、鎌倉時代になってから現代のように、還暦を一つの節目としてお祝いするしきたりとなりました。
具体的にはどのような形でお祝いすればよいのでしょうか。
祝宴に招かれていれば、その当日に宴席でお祝いをお渡しします。
宴を開かなかったり招かれていない場合は、誕生日の1週間くらい前から当日までに贈ります。
長寿祝いの相場と表書きについては、のし付きで、水引は、紅白または金銀の蝶結び(=花結び)が基本です。
表書には「寿」「寿福」「御祝」「祝還暦」「祝古希」「祝喜寿」などとします。
水引の結び目の中央下に表書きよりもやや小さく姓名を書きましょう。
金額の目安は1万円から10万円程度ですが、近しい間柄であるかどうかや宴席に招待されたかなどで違ってきます。
敬老の日とは?
ご老人を敬い、長寿を願い祝う日である「敬老の日」の由来と変遷についてお話しましょう。
敬老の日といえば、9月15日を思い浮かべる方も多いでしょう。もともとは「老人の日」と言われていました。
現在のように9月の第3月曜日となるまでは、ずっと9月15日が「敬老の日」として国民の祝日になり、親しまれてきたからです。
9月15日の由来は諸説ありますが、一説には聖徳太子が身寄りのない老人や病人のための
救護施設「悲田院」を設けた日といわれています。
ほかにも1947年に兵庫県多可郡野間谷村(現・多可町)で行われた敬老行事をきっかけに、9月15日を「としよりの日」とする運動が全国に広がり、その後「老人の日」と改称され、1966年に9月15日が「敬老の日」として国民の祝日になったといわれています。
その後、いわゆるハッピーマンデー法という祝日法改正によって、2003年から「敬老の日」が9月の第3月曜日に変更され現在のような形に落ち着いています。
高齢者の長寿を祝い、健康増進を促す気持ちを込めて、ご老人に対してプレゼントを贈るとよいですね。敬老の日に間に合うように、プレゼントをご用意しておきましょう。
敬老の日に何をすればいいの?
敬老の日にはいったい何をすれば喜ばれるでしょうか。
そもそも、老人といえるのはどのような人なのでしょう?
国連の世界保健機構(WHO)の高齢者の定義は65歳以上となっています。
65~74歳を前期高齢者、75~84歳を後期高齢者、85歳以上を末期高齢者と分けられます。
日本の行政制度では、老齢基礎年金は原則65歳から支給され、介護保険制度の第1号
被保険者は65歳以上、税制上の老人扶養親族は70歳以上、
後期高齢者医療制度は75歳以上となっています。
身近な例では、映画のシニア割引が60歳以上、東京都のバスや地下鉄に適用される
シルバーパスは70歳以上が対象となります。
JR各社では50歳ぐらいから各種割引がありますが、これは高齢者用とはいえませんね。。
老人の定義は人によって様々です。年齢的には高齢でも心身共に若々しく老人と呼ぶのは
ちょっと抵抗がある方もいます。
そのような人でも、孫など小さい子供からみれば「老人」に映るかもしれません。
敬老の日と難しく考えず、大切なのはいたわりや感謝の気持ちを表すことだと思います。
たとえば食事会を開く、贈り物をする、家事を手伝う、住環境をバリアフリーに整えるなど
その方法はたくさんあります。
地域で敬老にちなんだ行事が催されることも多く、敬老の日を通じて高齢者のことを考える
ひとつのきっかけにもなるでしょう。
日ごろご無沙汰している祖父母に喜んでもらえるとよいですね。
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